
知床連峰が連なる先に目指す硫黄山が見えた。

三ツ峰と羅臼側の海。

硫黄鉱山の跡だろうか。
こんなちょっとした人造物のようなものが珍しくなるくらい、
全く人気が無かった。

二ツ池が見えた。
上の池はもう枯れているようだ。
奥の連山に見える白は、雪ではなく硫黄らしい。

誰も居ない二ツ池に、LittleNukyを張った。
これだけ周囲と調和していれば、邪魔者扱いはされないだろうと、
妙な言い分で自分を納得させていた。
早々に食事を済ませ、
食料をフードボックスに入れた。
たった一人の夜。
そして全く音の無いだだっ広い空間。
不思議だ。何も無い。
あるのは半球の内側に輝く満天の星と自分だけ。
恐ろしいほどの星を見た。
シャッター全開10秒で、これが限界。
この時ほど高機能カメラが欲しいと思ったことは無い。
かなり寒くなってきたので、意を決して、テントに入った。
下界では明け方0℃近くになっていたというから、
ここでは零下を記録していたのだろう。
枕元にはLEKIのトレッキングポール(もちろんキャップは外した)と、
それから熊スプレーだ。
と、その時、
ハイマツが折れる大きな音と、
「フガー!フガー!」という荒い鼻息と共に、
何かが迫ってきた。
ついに"今日のその時"がやってきてしまったのだろうか!?
(つづく)
ブログランキング >>
0 件のコメント:
コメントを投稿